フィリップ証券株式会社

永堀真

東京都中央区日本橋兜町4-2 03-3666-2321

フィリップ証券株式会社 永堀真

略歴

東京大学理学部・大学院修了後の1999年に、野村證券入社。株式トレーディング業務、ニューヨーク支店での米国株式トレーディング業務を経て、2014年チャイエックス・ジャパン代表取締役社長、2017年モルガン・スタンレーMUFG証券電子取引部門責任者を歴任。
2021年7月よりフィリップ証券株式会社 代表取締役社長に就任。ブロックチェーン技術を用いたデジタル証券の発行等、金融業界の新たな未来を拓いている。

現在の仕事についた経緯

私は証券会社に就職後、自ら志願してニューヨーク勤務のチャンスを得ました。
その会社のカルチャーは「やれる人ではなく、やりたい人がやる」というもので、上司から「お前が行ってこい」と背中を押していただいたことは、今でも心から感謝しています。

とはいえ、現地では大きな壁に直面しました。英語も不十分な若手に、米国株を扱う顧客が容易に仕事を任せてくれるはずもありません。現地社員の方が信頼を得るのは当然です。ですが、諦めるわけにはいきませんでした。土日も返上して英語を必死に学び、顧客のために自分が何を提供できるかを徹底的に考え抜きました。その結果、少しずつ多くの顧客に選んでいただけるようになりました。

この経験から学んだのは、小手先の技術や言葉ではなく「相手を深く理解し、熱意を持って喜んでいただくことの大切さ」です。東京転勤が決まった際には、毎日のように送別会を開いていただき、いまでも当時の顧客様にかわいがっていただけているのは、この姿勢を評価していただけたからだと思っています。

帰国後、日本人が勤勉で誠実な仕事をしているにもかかわらず、海外で十分に評価されず、自信を失っている現状に疑問を感じました。その一方で、アジアには大きな飛躍の可能性があり、日本への敬意や憧れも強く存在していることを確信しました。
そこで「日本とアジアの架け橋になりたい」と考え、フィリップ証券に入社しました。革新的なサービスを展開し続けるこのグループで、日本人の価値観に根差したプロジェクトファイナンスを推進し、新しい資本経済の形を築いていきたいと考えています。

仕事へのこだわり

私が常に大切にしているのは、次の4つです。

夢を持つこと
どんなに困難でも「自分はこうなりたい」という夢を持ち続けています。その実現に向けて日々の行動を見直し、達成度を振り返ります。夢は変わっても構いません。重要なのは「常に明確な夢を持ち続けること」です。

信念を持つこと
私の信念は「社会の役に立つこと」です。どんな業務やプロジェクトでも「これは社会にどう役立つのか」を問い続け、納得できることに全力を注ぎます。

自分を信じ、最後まで諦めないこと
「必ずできる」と信じ、逆境でも納得いくまでやり切ります。人には無限の可能性があり、それを引き出せるかどうかは「自分を信じる力」にかかっていると考えています。

今に感謝すること
現在の環境や立場、過去の選択をすべて肯定し「幸運だった」と受け止めています。そして素晴らしい仲間や組織とともに働けることを誇りに思い、恩返しと貢献を意識して行動しています。

こうした姿勢を基盤に、私は常に「過去にないレベルのクオリティ」を追求してきました。

現在取り組んでいるプロジェクトファイナンスは、日本では初の試みで多くの困難がありますが、大きなやりがいもあります。私は社会人になったときから「直接金融を実現したい」という夢を抱いてきました。投機的な投資ではなく「応援」としての投資を広げたいのです。

日本人には「投資=ギャンブル」という抵抗感が根強くあります。だからこそ、「助け合い」「応援」「育てる」という切り口であれば受け入れられると確信しました。今回リリースしたプロジェクトファイナンスは、株式投資に近い仕組みを持ちながらも「支援」の要素が大きく、社会の助け合いや循環を促すものです。
これが浸透すれば、日本に投資文化が根づき、より良い社会づくりに貢献できると考えています。私はそこに大きなワクワクを感じています。

「できることをやる」のではなく、「やりたいことをやる」。そして「やると決めたら絶対にやり切る」。これが、私の仕事におけるこだわりです。

若者へのメッセージ

これからの時代は、AIをはじめとする技術革新によって、記憶力や事務的技能といった「比較可能な能力」の価値が低下していきます。その代わりに求められるのは「他と代えがたい個性」です。

だからこそ、若い皆さんには自分の個性を磨き、好きなことや趣味をとことん追求してほしいと思います。感受性を持って「心から興味を持てる何か」を見つけ、自分を信じ、その夢に向かって挑戦し続けてください。

可能性は無限大です。生き方も自由です。
人生を楽しみ、充実させながら興味を深め、自分だけの「オンリーワンの領域」を築き上げてください。やがてその個性が社会から求められる存在となり、世界をより良い方向へ導くはずです。