株式会社Marvel

久保佑輔

株式会社Marvel 久保佑輔

略歴

2015年3月に一橋大学商学部経営学科卒業。新卒で鹿島建設株式会社に入社。人事総務、経理、リスク管理などのバックオフィス業務に従事。
2021年5月に、株式会社Marvelを起業。現在はキャリア支援事業、イベント事業、集客コンサルティング事業など、設立4年で5事業を展開中。

現在の仕事についた経緯

鹿島建設で社会人生活をスタートしましたが、仕事をする中で「すごいのは会社であって自分ではない」と強く感じました。「もっと自分の力をつけて、自分の看板で勝負をしたい」「会社に守られるのではなく、自分の力で価値を生み出し、挑戦と成長が収入につながるフィールドで勝負したい」という思いから、会社員をしながら空いてる時間で起業の準備を重ね、28歳で独立・起業しました。

仕事へのこだわり

新人時代から、「相手のために何ができるか」を先に考える姿勢を大切にしてきました。この考え方は、尊敬する経営者の先輩から教わった「先義後利」という言葉に強く影響を受けています。義を先にすれば、利は後からついてくる。つまり、自分の利益を追う前に、まず相手に誠意を持って尽くすことが信頼を築き、それが最終的に利益に結びつくという考え方です。

実際に振り返ると、会社員時代からこの姿勢を意識していました。
たとえば社外で出会った自営業をされている方が、集客に困っているという話を聞いた時に、「自分にできることは何か?」と考え、イベントを共同で開催し、集客のサポートをしたことがあります。その行動は一時的には何の報酬もありませんでしたが、後にその方は独立後の私の取引先となり、さらに人を紹介してくださるご縁へと発展しました。短期的に見ればメリットがないと思える行動も、長期的に見ればめぐりめぐって成果につながることを体感した瞬間でした。

先輩から学んだ「先義後利」の精神は、まさに近江商人の「三方よし」にも通じます。売り手よし、買い手よし、世間よし。この考えを実践している人は自然と「一緒に仕事をしたい」と思われ、次のチャンスや新しい仕事を引き寄せていきます。

この考え方を独立後の今も大事にしています。まず相手にとってプラスになることを行うと、小さな気遣いや行動の積み重ねがやがて大きな信頼残高となり、数字につながっていきます。新人時代に先輩から学んだ「先義後利」の教えは、今も私の仕事の根幹にあります。

若者へのメッセージ

20代の方からキャリアについてご相談をいただく機会が多いのですが、多くの人が「どんな仕事を選ぶか」ばかりに意識を向けていると感じます。ですが、本当に大切なのは「どんな未来に辿り着きたいか」という目的地を描くことだと思います。

私自身、就活時は「大手かどうか」「周囲から格好よく見られるか」といった基準で会社を選びました。いわば飛行機の格好良さだけを気にして、行き先を決めずに乗ってしまったようなものでした。その結果、働き始めてから「自分はどこに向かっているのか」が見えずに迷いが生じました。

しかし、ある先輩に「仕事は乗り物・手段であり、目的地こそ重要」と教わってから考えが変わりました。たとえ不便なことがあっても、自分の望む未来に近づけると分かれば頑張れます。逆に目的地が定まっていなければ、不満ばかりが積み重なります。

だからこそ若いうちに「3年後、5年後にどうなっていたいか」を言語化してみてください。行き先が明確になれば、仕事はそのための乗り物として選べるようになります。迷っている人に伝えたいのは「まず自分の目的地を決めること」こそが、キャリアの第一歩になるということです。