一般社団法人慈恵会

丹野智宙

一般社団法人慈恵会 丹野智宙

略歴

一般社団法人慈恵会理事長、社会福祉法人敬仁会理事長、株式会社城ヶ倉観光会長。株式会社やさしい手取締役。株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンアドバイザー。
青森県青森市生まれ。1992年、カナダ留学。1998年、ホテルオークラに入社。2001年、一般社団法人慈恵会に入社。介護職として従事したのち、介護マネジメントを経て、2003年に総務部長に就任。2005年、慶應ビジネススクール田中滋教授に師事し、社会保障や医療介護経営について学び、叔父である院長や次世代経営幹部とともに田中滋先生の教えを基に経営改革に着手。2016年、慈恵会の理事長に就任。2018年、アメリカHarvardBusinessSchoolに留学。世界52カ国から集まる年商100億円以上企業のCEO、Ownerと最高峰エグゼクティブセミナー・OPMを受講し修了、卒業資格を授与される。医療事業M&A、社会福祉事業M&A、老舗温泉経営再生事業に着手しながら既存事業を深化し過去最高益を達成。同時進行で新規事業を探索し、老舗名門ホテルの再開発事業、ウエルネスホテルなど「新たな事業を開拓するウエルネス戦略」に着手しながら、コロナ危機を乗り越え、2024年7月にReLabo Medical Spa & Stayを開業。2024年11月、ホテルとしては世界初のウエルネス認定最高賞 WELL認証プラチナを取得。

現在の仕事についた経緯

私は青森で生まれ育ちました。外の世界を知りたいと願って飛び出したカナダ留学、そしてホテルオークラでの経験は、私に人と向き合う姿勢を叩き込んでくれました。しかし、最終的に私が戻るべき場所は故郷である青森でした。
2001年、慈恵会に入り、介護の現場からキャリアを積み直しました。命を支える現場で汗をかき、人の温もりや弱さ、強さを目の当たりにしました。その時「この地域で、人々の人生を支える存在になりたい」と強く心に刻んだのです。
やがて慶應での学び、そしてハーバードでの挑戦を経て、2016年に理事長に就任しました。私の歩みは常に「学び」と「挑戦」の連続です。そしてその先にあるのは、必ず「地元に還元する」という想いなのです。

仕事へのこだわり

私のスタイルは、徹底した現場主義です。ホテルマンとして叩き込まれた「お客様第一」という哲学は、医療や介護の現場でも変わりません。介護職として働いた日々は、私にとって原点そのものです。利用者の表情の変化、スタッフの小さな気づき。そうした一瞬一瞬の積み重ねが、経営に活かせる宝になる。新人時代から、私はずっと現場と経営を結ぶことに情熱を燃やしてきました。
そして、私は学びを止めません。田中滋先生から学んだ社会保障の知見、ハーバードで世界の経営者と交わした議論。すべてを吸収し、自らの挑戦の場に還元してきました。結果として生まれたのが「ウェルネス戦略」です。
医療・介護の枠を越え、観光やホテルを組み合わせる。青森駅直結の「ReLabo Medical Spa & Stay」の開業はその象徴です。医療検査、温泉、ヨガ。五感を解き放ち、自分を取り戻す場所を提供する。これは単なるホテルではなく、人々の人生を変える拠点です。そして、その挑戦が2024年、世界初のWELL認証プラチナという形で実を結びました。
さらに私は、スタッフ自身がウェルネスを実践する組織文化をつくってきました。看護師がヨガインストラクターになる。社員が心身を整える。そうした姿勢が、利用者に「本物の価値」を届けるのです。現場を見つめ、学びを深め、挑戦し続ける。これが私のスタイルであり、私の生き方です。

若者へのメッセージ

若い皆さんに伝えたいのは、「挑戦することを恐れるな」ということです。私は青森という地方から世界に出て、再び地元に戻り、新しい価値を生み出してきました。人口減少や高齢化という課題は確かに重い。しかし、それを「無理だ」と片づけるのではなく、「どうすれば変えられるか」と考えること。そこにこそ未来があります。
そして、自分自身を大切にしてください。ウェルネスとは病気がない状態ではなく、心と体を解き放ち、充実させることです。自分が健やかであれば、困難な時代でも、創造力と行動力は必ず湧き上がります。
最後に、仕事をする上で一番の原動力は「人の役に立つこと」です。私は青森で人々に喜ばれる瞬間に立ち会うたび、「もっとできる」と熱くなります。だから次の挑戦へと進んでいけるのです。どうか皆さんも、自分の可能性を信じ、大きな志を掲げてほしいと思います。挑戦は必ず人を成長させ、そして社会を変える力になります。未来は、挑戦する人の手の中にあるのです。