株式会社LINOA

立崎乃衣

東京都新宿区下宮比町1-4 飯田橋御幸ビル6階 03-5227-4198

株式会社LINOA 立崎乃衣

略歴

2004年生まれ。小学3年からロボット製作を開始。2017年より、アメリカの国際ロボコンFRCに出場するチーム「SAKURA Tempesta」に所属しロボットの設計を担当。同年よりチームで6年連続受賞、世界大会出場権を4度獲得、2022年には個人賞 Dean’s List Finalist Award を受賞。
2020年4月にFace Shield Japanを立ち上げ、自作のフェイスシールドを2,200個以上全国の医療機関に寄付。同年、Lenovoグループが主催する「New Realities」プロジェクトにおいて「世界を変える10人の若い女性」に日本人で唯一選出。2022年、Forbes JAPANの30 UNDER 30「日本発 世界を変える30歳未満30人」に選出。高校卒業後、ギャップイヤーを取得し、株式会社リバネス モルティングジェネレーターに就任。
2024年6月に株式会社LINOA 代表取締役社長CEOに就任。2024年9月より米国 Stevens Institute of Technologyに在学中。

現在の仕事についた経緯

2023年8月に次世代研究所「ADvance Lab」を立ち上げ、co-founderとして関わってきました。
その中でADvance Labの「次世代による次世代のための研究所」というコンセプトを体現することを目的に2024年6月に株式会社リバネスの子会社として株式会社LINOAを立ち上げました。以来、LINOAではADvance Labの運営を通じて次世代研究者の支援を行っています。
また、2025年の5月には「知の結晶化」を通じて未来を創造するコミュニティ『ADvance Campus』を立ち上げ、強い好奇心を持つ個の支援、プロジェクト創出を行っています。

仕事へのこだわり

私がこれまで一貫して大切にしてきたのは、「常に自分に対して正直であること」と「想定外を想定する」という姿勢です。
高校卒業後、私は自分の歩みを見つめ直すためにギャップイヤーを取るという決断をしました。当時、周囲からは「キャリアが遅れる」「もったいない」といった声もありましたが、自分の内側に湧き上がる「今、この時間が必要だ」という感覚を否定せず、その気持ちを絶対的に正しいものとして受け止めることを選びました。その結果、誰かの評価や一般的なレールではなく、自分の価値観や未来像に根ざした判断を重ねる力が身につき、今の活動や仕事のスタイルを築く大きな礎となりました。

もう一つの軸である「想定外を想定する」は、ロボット開発や企業でのプロジェクト運営の現場で自然に培われたものです。たとえば、FRCの国際大会に向けて製作したロボットでは、競技ルール変更や部品供給の遅れにより、設計を大幅に見直さざるを得ない事態が何度も起こりました。特に制御系のトラブルが大会直前に発生した際には、徹夜で配線の引き直しとプログラムの再構築を行い、チーム全体で役割を即座に入れ替えて対応しました。
こうした現場では、緻密な計画よりも、状況に応じてチームを組み替え、優先順位を柔軟に変えながら進める姿勢が成果を生むことを痛感しました。その経験を経て、私は常に余白を持った計画やチーム設計を心がけ、「不確実性を前提に進む」スタイルを確立しました。

また、代表やリーダーであっても、現場に深く入り、仲間や企業とフラットに議論することを重んじています。現場での小さな気づきや、ふとした好奇心の火種が、未来を動かす大きなアイデアにつながることを何度も経験しました。
今もなお、「好奇心によって未来概念を創造する」という理念を軸に、立場や年齢に縛られず、常に自分の内側の声に誠実であり続けることを大切にしながら、柔軟で挑戦的なスタイルで新たな価値を生み出し続けています。

若者へのメッセージ

私から若い世代に伝えたいのは、「自分の内側の声を信じ、好奇心を大切にしてほしい」ということです。周囲の期待や常識に流されると、自分が本当にやりたいことや感じていることを見失いがちです。「なぜそれをやりたいのか」「どんなことに心が動くのか」という問いに誠実に向き合ってみてください。
私自身、学生時代にギャップイヤーを取るという選択をしたのも、「今は立ち止まって考える時間が必要だ」という感覚を信じたからでした。その時間があったからこそ、自分の価値観ややりたいことを整理でき、その後の挑戦に迷いなく踏み出すことができました。

挑戦の中では、失敗や想定外の出来事に出会うことは避けられません。しかし、それを恐れる必要はありません。不確実な状況だからこそ、好奇心=ワクワクを軸に動くことで、思いがけない発見や新しい可能性に出会えます。
私が掲げる「好奇心によって未来概念を創造する」というビジョンも、まさにその姿勢の先にあります。自分の中の小さな好奇心を出発点にし、変化や学びを積み重ねることで、これまでにない未来を形づくることができる。失敗も変化も、そして好奇心も抱きしめながら歩むことが、未来を切り拓く第一歩だと信じています。